雨降り
予想通りの天気。雨の日の靴で家を出る。折り畳みの傘の弱い骨が風で歪む。気圧の低い日は頭が痛いからずっと寝ていたい。
しかしこのご時世、うっかり仮病でずる休みしようものなら、産業医の許可なくして出社不可などと面倒なことになるので、粛々と満員電車に揺られて運ばれていく。
昼食を社内のコンビニで買い、「袋どうしますか?」ときかれ、つい「いいです」と答えてしまった。むき出しの商品を手にエレベーターに乗る。見た目の問題もそうだが、あたためた食べ物のにおいが気になる。しかも、うっかり躓こうものなら大惨事だ。(バラバラに飛び散ったキャベツを拾い集めたとしても、それを入れる袋もない。)おそるおそる歩いて、展望室へ。川を見ながら、ペットボトルのコーヒーを含む。遊覧船はこんな日でも運航している。