週末前夜
私の前職はコンビニスタッフである。複数フランチャイズ店舗を経営する有限会社の傘下に20年近くいた。そこでは
・客は絶対待たせるな、1人でも並んでいたらレジに走れ
・時給で働いているのだから1分たりとも無駄にするな、客が切れた一瞬の隙に売り場に走り、前出し(商品を手前に詰めること)をしろ
・納品作業やフライヤー調理はスピーディーに行え。ただし作業中も客優先
・手が空いたら掃除。もちろん客(以下略)
という暗黙のルールがあり、客を待たせないことについては勤務中のみならず休憩時間にも適用されていた。平たく言えば、店舗にいる間は息つく暇などないということである。それらを概ね実践していた私はたぶん真面目だったのだろう。悪い意味で。
業界を離れた今でも、近くにいる人の動きに異様に鋭敏な自分がいる。視線を感じれば顔を向けるし、何か探しているようなら声をかける。人の顔色ばかり伺うやつ、と思われているかもしれない。でも、そういう人もいないといけないと思っている。