青空から一転、遠雷を聞いたかと思うと瞬く間に暗くなり、雨が降り始めた。嘘である。
暑いので、多分晴れていたのだろう。しかしちゃんとは見ていない。雷が近づいてきたのも音で分かった。雨の音も聞いた。だが、見てはいない。
最近はずっとそんなものだ。仕事をしている居間はすりガラスで、空の色はぼんやりとしか分からない。小さな部屋に閉じこもり、目はずっとスマホかパソコンの画面を追いかけている。
夕方、再び雨が降り出した。ちょうど外に出ていたので額に雨粒を感じた。夏休みのような時間をたゆたう、本日唯一のリアル。