鼻から吸って口からこぼす

おや、いらっしゃい。なにかお探しで? その我楽多ね、画面に不定期になにか出てくるんですよ。ぷろぐらむとかいうやつですかね。なんの役にも立ちやしないのに。物好きですねぇアナタ。はあ、左様ですか。なんですかねえ、決められたことだけしていれば楽に生きていけるのにねえ。そう思いません? あらそう。アナタみたいな人を物好きって言うんですよ。つける薬もありゃしねぇや。

人生の沼

 この世には入ったら抜けられなくなる沼がたくさんある。先日死にかける直前までプレイしたマージ&ドラゴンもそうだし、今でこそ少し嗜むくらいだが、かつてはゲーム廃人であった。自分では廃人のつもりはなかったのだが、スタミナ計算と微課金のみで毎回ランキングに食い込んでいたので立派な廃人ではあったのだろう。

 単純作業はいかに効率化していくかが楽しいので、しょっちゅう自分の中でやり方を微調整し続ける。体がオートで動くようになったら作業を続けながら心はひたすらぼんやりする。なんだか妙に仕事した気になってしまうのが、ゲームの怖いところである。当時仕事がやたらきつかったので、そうやって無になることで自分の精神の安定をはかっていたのだろうと今は思うことにしている。

 同じように寝食を忘れるのはやはり読書だろうか。マンガも含む。それが人によっては酒であったりタバコであったりすることもあるのだろう。沼は安らぎを与えてくれるので必要だが、そこに溺れていては前に進めない。癒しも過ぎれば人をダメにする。