溺れる
マンガを何巻まで読んだかわからなくなることが増えた。昔ほど熱を持って追いかけていないことのあらわれだろうか。
雑誌媒体だけでなくweb連載という方式ができたのもあって、作品の絶対数が桁違いに多くなってきている。そして玉石混交だ。暇つぶしのために提供される作品がとても増えた。
力のある作品もたくさんある。しかし、あまりにも数が多すぎるために埋もれてしまう。また、消費速度が速すぎて、すぐに打ち切りになる。
私は編集者の厳しい目にさらされて磨かれた、商業誌の作品が好きだ。同時に、同人誌から見出されたマイナーな作品も好きだ。けれど、流行の早さの中で古くなる速度が加速しすぎている。
いいなと思った作品をふっと見失うと、埋没していき、思い出すこともできなくなる。波に乗れなかった作品はあっという間に沈んでいく。
もっと味わっていたいのに、はや新刊が出ている。だから早いんだって。続き読めるのは嬉しいけど。