家に居場所がないぼっちの彷徨

　図書館が開くようになった。ありがたいことである。しかし、コロナ対策で席が減らされ、閲覧席の競争率が以前にも増したのは辛いところである。

　先日、資格の勉強のため駅前のファーストフード店に入った。ここでも、席が減らされている上、テーブルにラミネート加工の注意書きが貼られている。うろ覚えだが、2時間以上の利用が不可であること、店内での携帯電話の通話は控えてほしいこと、他にも2つくらいあった気がするが、何より「パソコンの利用もおやめください」と書いてあることに衝撃を受けた。

　その日はテキストを読み込むためだったので、いつもは持ってくるPCは留守番を任せてあったのだった。店内を見回すと、長居していそうな客は、電源付きの席にいるスマホゲームに興じそうだが今は寝ている若者くらい。そのとき急に、世界は変わったのだと改めて実感した。

　家にいるのが落ち着かない自分を改めなければならない、かもしれない。最寄り図書館はPC作業こそできないが、考えをまとめるには最適な空間だった。資料もあるし。家ではPCがちょうどよく置ける机がないため、執務室がわりにしていたファーストフード店もダメとなると、私はどうしたらいいのだろう。食べ終えたらさっとマスクをするし、誰とも話さない優良な客なのだが。