最善を尽くすなら尽くし甲斐のある人にそうしたい
夕方、スーパーでパック入りのマスクを見かけた。家の在庫が残り少なかったのを思い出し、1パックをかごに入れ、会計を済ませて店を出ようとしたとき、思わず振り向いてしまった。店内フロアに「マスクは置いてるかって聞いてんの」と大声が響いたのである。
アルバイトの男性が、「すみません、今は…あ、ありました! お客様、すみません、ありました…!」と叫んでいる。私が振り向いたとき、真後ろに苛々と歩く客が見えたので、戻ってマスクを購入したかどうかは知らない。ただ、そんな客にマスクがあるだなんて教えてやらずに帰らせてしまえばいいのに、とだけ思った。
実際に現場にいる立場ならば、そうもいかないのは知っている。相手がどんな客であろうとベストを尽くして然るべきという空気が濃密に漂っている。それが、大事にするべき店の常連ならばそれでもよいとは思うのだが。
家人に話したら、「うわーいるいる、探しもしないでふんぞりかえって店に入ってきてすぐ◯◯どこって言う奴!」とあるあるネタで盛り上がった。聞くなと言っているのではない、それが人にものを尋ねる態度かねということなのである。