ひとむかしまえは
エアコンに部屋を温めてもらいながら、人生初の一人暮らしの部屋にはエアコンがなかったことを思い出している。
20年くらい前だったから、それでもなんとか暮らしていけていた。東京の暑さも今と比べたら全然マシだった。扇風機で夏を、こたつで冬を凌いだ。冬は水道が凍る。自転車置き場には霜柱が立っていた。生まれて初めて本物を見た。
気候が当時より極端になったのもそうだし、無駄な痩せ我慢は体に毒だと持病を抱えてからは思うようになった。数百円の電気代をケチるより快適な方がいい。でも、暑い暑いと言いながら扇風機が自分に当たるよう調節していた昔が懐かしくもある。
実はこたつはまだ持っていて使えるのだが、在宅勤務の身には危険なのであえて出さない方向で行こうと思っている。居眠りはさすがにまずいので。