冬恋し

　ここ数日ずいぶん秋めいていたのに、今日の昼間は焼けつくような暑さだった。９月であることを忘れそうになる。どうせ秋なんか一瞬なんだろう。すぐ冬がやってくる。

　個人的には安定して寒いのはそれほど嫌いではない。特に、今年はよく眠って体温が高止まりしているので、冬もそう辛くないんじゃないかと思っている。マスクをするのに向いているのも冬である。ちょっと暖かいのが良い。

　逆に、暑さ寒さが安定しないのが苦手だ。昨日は寒かったのに今日は暑いくらい、はまだいい。もっと短いスパン、例えば朝寒かったのに昼は暑く夜また寒いというのが苦手なのだ。出先では調節するにしても限度があるので。しかも私は自分の感覚と身体に乖離があるので、余計によろしくない。少し寒いくらいが好きなのに、心地よい状態の時にはもう風邪を引くくらい身体が冷え切っているというように。

　冷房で冷え切った身体が外に出た瞬間、身体中の毛穴が開くあの瞬間が好きだ。でも、その一瞬でいい。すごすごと冷えた部屋に帰りゆく。