視点の切り替え
私は近視で度の強い眼鏡をかけているが、友人がくれた私の文章の感想を聞いて、書いているものも顔を近づけすぎてよく見えていないのかもしれないと思った。
大好きな都美術館でやっていたことは覚えているのだけれど、なんの美術展だったか。大きな空間の真ん中で立ち止まって周りを見渡したら、壁にかけてある絵がそれぞれ別の異空間に繋がっているみたいな心持ちがして、とてもわくわくした。視点を切り替えた瞬間のあの感覚は、ずいぶん薄れたけど私の中にまだ少し残っている。
そんな、ロングショットとでも言えばいいのか、とにかく引いた視点で物を見ることが、今の私には必要なのかもしれない。読んでくれる人の共感に甘えて、薄い文章を書いていてはいけないんだろうな。
才能のない自分を嫌いというのは簡単だが、嫌ったって逃げられやしないのだから、自分で自分をうまいこと育てていかないとね。