正しさと難しさと
図書館で予約本を引き取るついでに、新刊コーナーにあった本を手に取った。立ち読みでふむふむしていたのだが、ある項目のところでぴたりと止まってしまった。
事実と違うことが書いてある。それは、その本の本筋からは離れたことではあったが、地元に住む人が見たらすぐわかるような明確な間違いだった。思わず奥付を見た。昔出た本なら、書いてある通りだからだ。けれど発行は今年の3月1日だった。
世に出ているものが全て正しいわけではないと知ったのは、私が「源氏物語オタク」だったことに所以する。テレビの特集や巷に溢れるムック本に書いてある情報のいいかげんなこと。それを見てしたり顔で「光源氏の正妻である紫の上が」などと語るクラスメイトを成敗してやりましたとも。口で。
最近は「諸説あります」というテロップが出るようになったけれど、それがメインの説じゃなくてマイナーな説だからな!ってこともしばしば。
結局何が正しいかは自分で学びに行かないとわからない。そして学びに行くと、その深さに目が眩む。単純化できていたのは知識がないから。知識の海で溺れ、迷いながら抽象化してまた単純化できるように、早くなりたい。